安達健陶展 記憶媒体

Quwanではこの度、安達健 陶展-記憶媒体-を開催いたします。

脈々と受け継がれる記憶は其の形を媒体とし在り続ける。
手の中、日々の生業、意識の先に。

安達健さんは1983年生まれ、武蔵野美術大学で映像メディアを専攻し同時期から陶芸を初めました。 懐石の器を研究し料理の盛りどころが意識された器は、料理が美しく見える食卓の器として定評があります。
そんな作品群の中に灰〆(はいしめ)と呼ばれる器があります。灰〆はコンクリートや石のような外見であり、ただ存在することを是とするような佇まいの器です。今展ではこの灰〆の器に焦点をあて彼の器の魅力に近づきます。

土を精製する中で様々な事象と出会うと語る安達さん。それは土の中に紛れ込んだ草木や生き物、時には新たに芽吹こうとする種子であったりします。一つ一つに意識を向け、土に記憶された情報を読み解く。そうした膨大な情報、色形、性質はもちろん、癖や素材のエゴまでを抱え、違った形に映し変えようとする表現こそが安達さんの器の魅力だと考えます。

灰〆の器には一般的には単体で使用しない陶土を使います。癖のある土は熔けた釉薬を吸収し石の様な姿へ変容します。灰〆は薄弱をよしとせず、実直でまっすぐ。私達が歩み寄る必要がある器なのかもしれません。それは土が安達健を媒介し情報を具現化した形、多くの記憶を内包した確かな器の姿をしています。食卓の器を含めすべての作品は同様のプロセスを経て形を与えられているはずです。それが表層にまでより顕著に表れるのがこの灰〆なのです。

器という媒体に記憶された情報は私たちの感性を深く刺激してくれます。
安達健さんの器をぜひこの機会にご覧ください。

会期中は京都の菓子工房「御菓子丸」さんにご協力頂き"鉱物の実"を限定販売致します。
鑑賞から食べるまでの行為を一つの体験として捉え、新たな菓子表現を生み出し続ける杉山早陽子さんの和菓子もぜひお楽しみくださいませ。(※無くなり次第販売終了となります。)

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安達健個展
-記憶媒体-
2019年6月22日-6月30日(会期終了)
12:00-18:00
会期中無休
◇作家在廊日22日,23日

作家略歴
1983年 愛知県春日井市生まれ
2002年 武蔵野大学映像学科入学、同大学窯工研究会にて活動
2007年 愛知県瀬戸市に築窯
2011年 瀬戸市にてフェア「ユノネホウボウ」立ち上げ
2013年 うつわ勉強会「基」立ち上げに参加
2016年 神奈川県横須賀市に工房移設

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安達健個展

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