安達 健個展 -成りかたち-
安達 健 個展 -成りかたち-
2020年7月18日(土)~7月26日(日)(会期終了)
12:00-18:00
会期中無休
作家在廊予定 18,19日
ほの暗い灰は
ちいさな隙間を抜け
一筋の光で像を映す
安達健は1983年生まれ、武蔵野美術大学で映像を専攻し、同時期にサークル活動として陶芸と出会う。今展は昨年Quwanにて催した安達健個展「記憶媒体」に続く形での開催となり、代表的な作風をいくつかピックアップした展示である。
安達が持つ灰〆と呼ぶ製法に着眼した前展は、一つの素材に究竟する安達自身を媒体と位置付け、素材に蓄積された情報を引き出そうとする姿勢にフォーカスしたものであった。続く今展は「成りかたち」というタイトルの通り、形のルーツや形状そのものに視点を移した展示となる。安土・桃山時代の懐石の器を基軸にした形や、須恵器になぞらえた形状などがあり、それらを手に取ると違った素材から作り出されながらも一本の線上で繋がるような感覚を覚える。いわゆる写しと呼ばれるものとは異なり、安達はその形状に至った所以に重きを置き、様々な解釈で器の形を展開していく。
成るという言葉には、物事が変化しより良いものに変化していくという語意がある。安達健の表現する器は私たちの今の生活においてどのように成り、あらたな形へと拡がりをみせてくれるのか。安達健の器と向き合い、想像力を掻き立てて頂けると喜ばしい限りである。
◇安達健略歴
1983年 愛知県春日井市生まれ
2002年 武蔵野大学映像学科入学、同大学窯工研究会にて活動
2007年 愛知県瀬戸市に築窯
2011年 瀬戸市にてフェア「ユノネホウボウ」立ち上げ
2013年 うつわ勉強会「基」立ち上げに参加
2016年 神奈川県横須賀市に工房移設