ゴブレットについて | 齋藤一個展 -揺らぎ- より

 

齋藤一さん定番のゴブレット。

この形が良いなと、齋藤さんの作品の中でも眺める時間が多いものの1つです。ゴブレットを抽象化するとどうなるのだろうか?そもそもゴブレットを構成する要素が何かと考えると、色々と思考も深まり楽しくなります。

ゴブレットは液体を注ぐ杯に、脚と台の3点で構成されます。この要素をできる限りシンプルな線、紙の上で一筆書きのように表現しようとするとどうなるか。齋藤さんの作る形は、円錐状をした器の先端部分を2つ接続した形をしており、それぞれはほぼ同じバランスをした大小のサイズをしています。平面上でみると直線のみで構成された幾何学的なフォルム。幾何学的ゆえ工業製品のようでありながらも、杯の重要な要素である、尊さのような特別感も感じます。

まるで定型化された形から離れる事でより自由で豊かな器表現となっているようです。

用途を選ばない器へと広がる事は、同時に用途とも深くつながる。一元的な表現を具体化した素晴らしい形に思えるのです。

今展ではサイズ違いやカラーのバリエーションも豊かに、大ぶりなコンポートも出店しています。ぜひ、皆様も手に取りお確かめください。

 

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