長野大輔個展 うつわ畑
土を捏ね、薪を割り、うつわの畑が豊かに実る。
逞しい営みは、私たちの生活を豊かに彩ります。
長野大輔さんは1982年生まれ。農業を生業とする家に育ち故郷の高知県で2006年に穴窯を築きました。器に使用する素材は高知の文旦や稲わら、梨、松などが多く生活の近くにある素材を用います。
芸大で陶芸を学びその後は誰に師事することもなく、ただ一人制作活動に没頭してきました。 農家に育った長野さんの身体には方法論的に環境をいかし作り育てるという事が染み込んでおり、 それはモノづくりに対する強い主張や信条のようでもあります。
様々な情報が意識せずとも入ってくる現代のモノづくりの場に置いて、 揺るぎない信条は同世代の作家の中でも異彩を放っているように思います。 遮断し狭い世界で向き合うのではなく、身の回りにある情報や環境を大切にいかす。 そんな芯が強くも柔軟な姿勢は、完成した形を追い求めるより生み出す過程に魅了されているかのようです。
作物を育てる上では実りが豊かであるよう土を耕し、肥やしを与えます。
健康的な実りを願い日々の仕事に向かいます。
求めるのは良い色形ではなく、健康で豊かな実り。
うわべの美しさだけをを求めても豊かなものは生まれないのです。
私たちは長野さんの器に豊かな田畑に実る作物のような逞しさ、土の営みの奥深さを感じました。 今展のテーマである「うつわ畑」は、長野さんが運営されるギャラリー名でもあります。
高知の土地に実る豊かな器をぜひご覧ください。
長野大輔個展
-うつわ畑-
2019年5月25日-6月2日(会期終了)
12:00-18:00
会期中無休
◇作家在廊日25日,26日